はじめに
「念願の4Kテレビを買ったのに、話題の『新4K8K衛星放送』が映らない!」「アンテナは対応品に変えたはずなのに、なぜ?」
高画質な映像を楽しもうと準備したのに、いざ設置してみたら見られない…。これは、4Kテレビ導入時によくあるトラブルの一つです。多くの方が「アンテナさえ変えれば見られる」と考えがちですが、実はそれだけでは不十分なケースが非常に多いのです。
その原因は、屋根の上のアンテナではなく、普段は目に見えない「壁の中」や「天井裏」に隠れています。この記事では、新4K8K衛星放送を見るために必要な「見落としがちな重要機器」について、弱電工事のプロが解説します。
結論:アンテナからテレビまでの「通り道」全てが対応していないとダメ!

テレビ放送の仕組みは、アンテナが受け取った電波が、ケーブルを通って部屋のテレビまで届くことで映像が映ります。このアンテナからテレビまでの「電波の通り道(伝送経路)」が非常に重要です。
新4K8K放送が使う「特殊な電波」
なぜ従来のテレビは見られるのに、4K8Kだけ見られないのでしょうか。それは、新4K8K衛星放送が、従来の放送(地デジや従来のBS)よりも、さらに高い周波数帯(〜3224MHz)の電波を使っているからです。
例えるなら、従来の放送が「一般道」を走る車だとすれば、新4K8K放送は「高速道路」を走るスポーツカーのようなものです。高速で走るためには、それに対応した広くて整備された「道」が必要です。
つまり、アンテナという「入り口」だけを高速対応にしても、その先の「道」が古いままだと、電波がそこで渋滞したり、通れなくなったりして、テレビまで届かないのです。
見落としがちな「壁の中の重要機器」たち

では、アンテナとテレビの間には、どのような「道」が隠れているのでしょうか。特に築年数が経過した建物では、以下の機器が4K8Kの電波に対応しておらず、ブロックしてしまう原因になります。
① ブースター(増幅器)
アンテナが受信した電波を強くするための機器です。アンテナの近くや天井裏などに設置されています。古いブースターは、4K8Kの高い周波数の電波を増幅できないどころか、逆に遮断してしまうことがあります。
② 分配器(ぶんぱいき)
一つのアンテナで受信した電波を、リビング、寝室、子供部屋など、複数の部屋に分けるための機器です。通常は天井裏や壁の中に隠れています。この分配器が古いタイプだと、高い周波数の電波をうまく分けられず、特定の部屋だけで4Kが見られないといった症状が出ます。
③ 壁のテレビ端子(直列ユニット)
部屋の壁にある、テレビケーブルを差し込むコンセント部分です。ここも古いタイプだと、4K8Kの電波を通しにくい構造になっていることがあります。
④ 同軸ケーブル(アンテナ線)
壁の中を通っているケーブル自体も重要です。古すぎて劣化していたり、細すぎる規格のものが使われていると、電波が届くまでに減衰(ロス)してしまい、映像が乱れる原因になります。
プロの仕事:「見えない原因」を特定する診断力と技術

「アンテナを変えても映らない」というご相談を受けた時、私たち弱電工事のプロは、すぐに原因を決めつけません。専用の測定器を使って、見えない電波の流れを「診断」します。
専用測定器によるピンポイント診断
プロは「レベルチェッカー」という高性能な測定器を使い、アンテナの直下、ブースターの出口、分配器の前後、そして各部屋の壁端子など、経路の各ポイントで電波の強さや質を数値で測定します。
原因の特定と的確な交換工事
測定結果を分析することで、「ブースターまでは電波が来ているが、その先で止まっている」「分配器の特定の出力だけ弱い」といったように、どこがボトルネックになっているかをピンポイントで特定します。
その上で、問題のある機器(例えばブースターや分配器だけ)を適切な4K8K対応品に交換します。家全体の配線状況を見極め、無駄なく確実に視聴環境を整えるのがプロの技術です。
まとめ
美しい4K8K映像を楽しむためには、アンテナだけでなく、壁の中に隠れた機器を含む「電波の通り道全て」が対応している必要があります。原因特定には、専門的な知識と測定技術が不可欠です。
4K8K視聴のポイントおさらい
- アンテナ交換だけでは不十分なケースが多い。
- ブースター、分配器、壁端子など「通り道」全ての対応が必要。
- 原因を特定するには、プロによる「専用測定器での診断」が確実。
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