LAN配線の「隠蔽配線」って自分でできる?プロの技術と資格、仕事の魅力を解説

リモートワークやおうち時間が増え、「Wi-Fiも便利だけど、やっぱり安定した有線LANが各部屋に欲しい…」そう考える方が増えています。しかし、床や壁を這うLANケーブルは、見た目も悪く、掃除の邪魔にもなりますよね。


そんな悩みを解決するのが、壁の中や天井裏に配線を通す「隠蔽配線(いんぺいはいせん)」です。 「これって自分でDIYできるの?」と挑戦を考える方もいるかもしれませんが、隠蔽配線はプロの技術が詰まった専門的な工事です。


この記事では、LAN配線の隠蔽工事に潜むリスクと、プロの電気工事士が行う「スマートな技術」、そしてその仕事の魅力について詳しく解説します。



「隠蔽配線」とは?露出配線との違い

まず、LAN配線には大きく分けて2つの方法があります。


露出配線: LANケーブルを壁の表面に、モール(配線カバー)やステップル(釘)で固定して配線する方法です。工事は比較的簡単ですが、どうしても配線が見えてしまい、お部屋の美観を損ねる原因になります。


隠蔽配線: 建物の壁の内部や天井裏、床下などにLANケーブルを通して配線する方法です。ケーブルが一切見えなくなるため、お部屋がスッキリと美しく仕上がります。まさにプロの仕事と言えるでしょう。



なぜDIYは難しい?隠蔽配線に潜む5つのリスク

「壁に穴を開けて、線を通すだけじゃないの?」と安易に考えると、取り返しのつかない失敗に繋がる可能性があります。隠蔽配線のDIYには、主に5つの大きなリスクが伴います。


① 建物を傷つけるリスク

壁や天井の内部には、柱や梁(はり)、断熱材、そして既存の電気配線(強電)など、見えない障害物が無数に通っています。知識なくドリルで穴を開けた結果、重要な柱を傷つけて建物の強度を低下させたり、最悪の場合、電気配線を傷つけて漏電や火災事故を引き起こしたりする危険性があります。


② LANケーブルを傷つけるリスク

LANケーブルは非常にデリケートです。通線時に無理な力で引っ張ったり、強く折り曲げたりすると、内部の導線が断線したり、性能が著しく低下(通信速度が極端に遅くなるなど)したりします。壁の中で断線した場合、修理はほぼ不可能です。


③ 専門工具と知識の不足

プロは、「ケーブルフィッシャー(通線ワイヤー)」や「壁裏センサー」「長いドリルビット」など、この工事専用の特殊な工具を使いこなします。これらの工具なしでは、壁の中の見えない空間にケーブルを通すことは非常に困難です。


④ 想定外の障害物と「詰み」のリスク

壁の内部は図面通りとは限らず、予期せぬ障害物が行く手を阻むことが日常茶飯事です。プロは別ルートを探すなど臨機応変に対応できますが、DIYでは「線が通らない、詰んだ」となり、開けた穴だけが残る…という結果になりがちです。


⑤ 時間と労力、そして仕上がりの問題

想像を絶する時間と労力がかかった挙句、結局きれいに仕上がらず、通信速度も安定しない…というケースは非常に多いです。プロに頼めば数時間で終わる作業が、数日かかっても終わらないことも珍しくありません。



プロはここが違う!隠蔽配線の「技」と「知識」

では、私たちプロの電気工事士(弱電工事)は、どのようにして美しく安全な隠蔽配線を実現しているのでしょうか。そこには、経験に裏打ちされた「技」と「知識」があります。


① 徹底した事前調査と計画

まず、建物の図面(可能な場合)を確認し、壁裏センサーや点検口から天井裏・床下を目視で調査します。既存の配管(CD管など)が利用できないか、最短かつ安全な配線ルートはどこか、綿密に計画を立てます。この「計画段階」が最も重要です。


② 専用工具の駆使と壁内構造の理解

「ケーブルフィッシャー」や「ガイドワイヤー」を巧みに操り、壁や天井の見えない空間にケーブルを通していきます。壁の材質(石膏ボード、コンクリートなど)を見極め、最小限の穴開けで済むよう、ミリ単位で作業を進めます。


H3: ③ ケーブル性能を100%引き出す配慮

LANケーブルの性能を最大限に引き出すため、その規格(Cat6Aなど)に合った部材を選定し、絶対に強く折り曲げず、無理な力をかけずに配線します。この丁寧な作業が、将来的な通信の安定性を保証します。


④ 美しい仕上げと完璧な性能確認

最終的に設置するLANコンセントも、水平垂直を正確に出し、壁紙との隙間なく美しく仕上げます。工事完了後には、専用の「LANテスター」で通信速度や品質に問題がないかを数値で確認し、完璧な状態でお客様に引き渡します。



隠蔽配線に「電気工事士」の資格は必要?

ここで多くの人が疑問に思うのが、「資格」の問題です。


原則:LANケーブル(弱電)の配線自体には、電気工事士の資格は必須ではありません。


しかし!


壁の中に手を入れる際、既存の電気配線(強電)に触れたり、傷つけたりするリスクが常にあるため、電気の知識は不可欠です。


LANコンセントのプレートが、電源コンセントと一体型になっているケースは非常に多いです。この場合、コンセント部分(強電)を触るため、「電気工事士」の国家資格が絶対に必要です。


結論: 安全かつ法律を遵守し、完璧な仕上がりを求めるならば、弱電(LAN)の知識だけでなく、強電(電気工事)の知識と資格も併せ持つプロの電気工事業者に依頼するのが、唯一の正解です。


【まとめ】美しい配線は、プロの知識と技術の結晶


LANの隠蔽配線は、「ただ線を通す」だけの単純作業ではなく、建物の構造を理解する「計画性」、ケーブルの性能を引き出す「知識」、そして**美しく仕上げる「職人技」**が求められる、非常に奥深い専門工事です。


安易なDIYは、大切なご自宅や通信環境を損なうリスクを伴います。 弱電工事のプロは、お客様の「部屋をスッキリさせたい」「どの部屋でも快適にネットを使いたい」という要望を、スマートな技術で実現する仕事なのです。


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